相続資料収集手続きのDX

「マイナ保険証」しかり「マイナンバーカード対面確認アプリ」のリリース等、たびたび行政に関係したDXの話題を目にします。税務方面でも様々なDXが進められていますが、相続関係では、手続きの初期段階に集める戸籍の電子交付が検討されています。

戸籍は、相続人を確定するため、又、預貯金の引き出しを始めとした様々な本人確認手続きでも必要になります。収集の際は、亡くなった方が産まれた時点まで戸籍を辿っていきますが、その結果、電子化される前の戸籍(改製原戸籍)に行き当たることが多々あります。この原戸籍は手書きの上、今では使われていない文字,見覚えのない地名が書かれていて、読むのに苦労します。更に、全国から集めることで想定外の時間を要したり、様々な用途で資料を使うために同じ書類を複数部入手することで書類が嵩んでいくことも、資料収集手続きの煩わしさを増長させます。

戸籍情報の電子化自体は既に進められているわけですが、収集することについては、今年の3月から本籍地以外でも取得が可能になったところです。資料が嵩張ることについては、平成29年に始まった「法定相続情報証明制度」を利用することで集約できますが、対応しない金融機関があること等で、実際に利用するケースは少ないかと思います。現在検討中の電子交付は24年度中に結論を出すそうですが、“X”につながる仕組みに結実して欲しいと思います。