システム障害で上半期純利益半減
先日、江崎グリコが発表した24年12月期の上半期連結決算によると、売上高は前年比微増,営業利益は10%弱増加したものの、システム障害の影響で、純利益は半減したそうです。決算短信を見ると、同社は事業を6つのセグメントに分けていますが、障害により乳業事業が受けた影響を海外事業他でカバーした格好で、特別損失に「システム障害対応費用」が計上されています。
今回、障害によってプッチンプリン等の商品が出荷できなくなってしまったということですので、費用としては、在庫を処分した費用、又、システム障害に対応した方のSE費用は間違いなく発生したと考えられます。その他、通常通り出荷していれば相当程度売れる商品かと思いますので、考え方としては「機会損失」も思い浮かびます。ただ、あくまでも“本来”得られたはずの利益を獲得しそこなったというタラレバの話しになりますので、投資家に現状の財務状況を明らかにしようとする企業会計上では表面化しません。
障害の発生以降、ニュースでは「プッチンプリンが食べられなくなった」という事実のみが取り上げられてきた様に感じていますが、それに対する一般消費者の反応は「店頭に並ぶのを焦らず待っているよ」という応援的なものが多い様に感じています。こちらも、直接的には財務状況に反映されませんが、不幸中の幸い、ニュースで繰り返されることで潜在需要の喚起につながったのではないでしょうか。私も、その口で「久しぶりに買って食べてみるか」と思い始めたところです。